次に、「大腿四頭筋」と『居着き』について解析していきましょう。
大腿四頭筋は1個の直筋と3個の広筋からなる筋群ですが、股関節の屈曲と膝関節の伸展をさせる作用を持っています。
また、大腿四頭筋主動による歩行は、次の3種類の『居着き』を含んでいます。
第一番目は、止まっているところから一歩踏み出す際に、身体を前進させるための原動力にするために、膝を緩め、重心を少し落下させなければならない、ということです。
この落下は非常に短い時間ですが、当然、戦闘状態で相手と向かい合っている際に動くためにはかなりのロスになっている事は容易に想像がつきます。
二番目は、大腿四頭筋によって膝を伸ばすことで游脚期に移行するために、游脚期の途中で膝が完全に伸ばされロックしてしまうので、身体が推進力を失い、落下し始めてしまう、ということです。
このことは、「相反性支配(*註)」により、大腿の後側の筋肉を使えなくなる事に起因しています。
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